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山下達郎様 Performance 2013ライブ記  [ライブ・コンサート]

山下達郎様 Performance 2013ライブ記       

         20131024日中野サンプラザにて


 

 

131026達郎ライブ (2-2).jpg
 

 

 

達郎さんのライブを初めて見たのは1980年5月3日に開催された中野サンプラザでのライドオンタイムツアーの時だ。あれから33年。私はまだ達郎さんのツアーを見ていた。ご本人も仰るように、齢60歳で現役ミュージシャンとしてサンプラザのステージで演奏していることになっていようとは当時では想像出来ないことだったでしょう。


54
歳になった私も、こんなに長く一人のミュージシャンの音楽に没頭することになろうとは思っておりませんでした。

会場は満員でした。一般発売の相変わらずチケットが取り難く、ファンクラブの私は何とか潜り込めたという感じでした。座席は305番という後列下手寄り。
今回のツアーからPA卓をデジタル機器に統一したようでした。
2012
年ツアーは冒頭こそデジタル卓だったが、演奏中の音の反響が気になり、パフォーマンスに悪影響があったということで、途中から旧来のアナログ卓に入れ替えたというのだが、今回は遂にデジタル卓で全ツアーを行うことになったらしい。達郎さんの事だから、随分と思考錯誤した結果なのだろう。
私に座っている位置だと左スピーカーの方の音圧が高目になるのだが、それでも耳が慣れてきて右の音も適度なバランスで認識出来るようになった。
デジタルPA卓だからという訳ではないだろうが、音は若干すっきりした感じの印象だった。昨年にも増して、各プレイヤーの音がキチンと聞こえたという言い方が適切だろうか?
特にドラムは生々しい感じでしたね。
音量も音圧も以前と比べて特に問題を感じなかった。

実は、個人的には、サンプラザでの演奏を聞く方が私の耳に合っている。NHKホールは決して嫌いなホールではないのだが、あのホールはクラシック寄りの設計をしているためか、ロック系の音楽を観客席の2階より上の両サイドのウイングで聞くと、大幅に音圧を失う傾向があるのです。
その昔アラニス・モリセットを聞いた時も、その場所での音圧がパワー不足で飽き足らないまま終わったという経験がありました。
達郎さんの場合も同様で、正面席では結構音圧を感じられるのだがウイング席に行くとそれを失ってしまうのです。これはPAの問題というより、NHKホールの設計による特性だと思われます。扇型に客席を設計しているためことで音圧が散逸し易いのかもしれません。
そのため達郎さんのライブの時は、出来るだけ
NHKでなくサンプラザを選択しております。サンプラザはステージ幅とほぼ同じままでの長方形型の客席なので、だいたいどこの席にいても、PA音がパワー感を失う事がないからです。達郎さんもNHKホールが3700席ある点にちょっと難点を感じておられましたが、そういう感覚があるのかもしれません。

 

現時点で達郎さんはまだツアー中なので、このブログには何を演奏したのかについて仔細に言及することは避けます。少なくとも、過去の全ツアーで皆勤賞演奏の、レッツダンスベイビーだけは今回も演奏をやって下さっております。

今回サンプラザを見るに当たり、一切の事前情報を遮断して見に行った事は、私にとって非常に良かったのです。情報過多の時代、情報の取り過ぎは感動を無くす原因になりかねません。
ライブ会場で、演奏される度に出てくる曲目1つ1つに、ドキドキワクワクするというのは、33年も通っているようなファンに限らず些細な喜びかもしれません。かなりの年月を経て演奏された曲も多く、楽曲との一期一会は、ライブ会場での得難い喜びの瞬間でもありました。
達郎さんは、10月前半に行った大宮でのライブ内容を、仔細微細に記載した若者のブログについて憤りを隠さずにコメントしていらっしゃいましたが、彼の立場からすればその通りでしょう。ライブ会場でスマホに曲目を記録している人を見かける事がありますが、周囲からすると非常に邪魔な行為です。紙にメモでも取っているならいざ知らずですが、ブログに情報をアップして読まれることで自尊心を満たしたいのなら、他に幾らでも方法がありそうな気が致します。

今回特筆すべき事があるとすれば、これまでになく達郎さんがお客さんを賛辞した事でしょうか? 特に中野サンプラザでの達郎さんのライブは、いつもお客さんの反応で様々な事が変化する傾向が強いライブ会場であるため、実際、内心ドキドキしていたのです。
2010
年ツアー(だったか?)の5月に行われた千秋楽のライブは、前方上手にいた一人の客の心無いヤジに対し、達郎さんが怒りを表してしまったこともあり会場内に不穏な空気が醸し出された事がございました。
長年達郎さんのライブを見ていて、彼の口からお客さんに対して“今日のお客さんは温かくてやり易いです”というコメントがある時は、例外なく演奏も良いと感じる事が多く、特に達郎さんのライブは、観客と演者のコミュニケーションが強いと感じておりました。

今回のライブはそういう意味で“当たり”でした。
私も過去に何度もライブを見ておりますが、あれ程お客さんを賛辞した事は今までなかった様に思います。
私の周辺にも数多くのダイハードなファンが沢山座っておりました。ダイハードなファンの中には辛辣な人がいる事が多々あるのですが、今回は、曲のイントロが出るたびに、“おっ!”とか“いいねえ”とか小声でつぶやく事が聞こえ、ライブを楽しんでいる様子が分かりました。
また、達郎さんにとってサンプラザでのライブは、音楽業界関係者や評論家諸氏が詰めかけ、切った貼ったの丁々発止をさせられているような緊張感の中で演奏している感じがあるようで、中々その緊張感が取れない時が多いのですが、今回は途中からそういう事もなく、リラックスした感じで演奏してくれたためか、とてもライブ会場の雰囲気が良かったのです。でも実は、音楽業界内には達郎さんの信奉者が非常に多いというのも事実なのです。

達郎さんも遂に還暦です。
60
歳の達郎さんが、さすがに30代や40代と全く同じ声のパフォーマンスとはいかない部分が若干残る事は否定できないのですが、演奏力とパッションには全く変化がなく、驚異の3時間30分という長丁場をこなす姿勢には驚くほかございませんでした。

ご本人もMCの中で、そういう声の変化や彼周辺のミュージシャンたちのキー替えの事情などについて言及しておりましたが、達郎さんは何とかパフォーマンスを維持して頂けるようでした。達郎さんの曲はキーが高いものが殆どなので、これから年齢と戦うのはなかなか大変だと思うのですが、是非ガンバッテ欲しいと思います。

昨今の大規模セットのスタジアムツアーに慣れている若い人々には、達郎さんのようなホールツアーライブが地味に見えるかもしれません。それでもあれだけの演奏に特化したステージを3時間に渡って出来るミュージシャンを私は他に知りません。
達郎さんも仰っておりましたが、私たちは音楽の良い時代に巡り合ったと言えます。青春時代に彩りを放ってくれたミュージシャンが30数年もの間ずっと現役でいてくれ、未だに質の高いパフォーマンスをしてくれるなんて、なんて我々は幸せな音楽の時間を過ごす事が出来たのだろうと思います。
現在人気のあるミュージシャンの何人が30年後も同じ規模のツアーが出来るかを想像してみれば、達郎さんの仕事振りが偉業に近いと分かるでしょう。
そういう偉業に近いミュージシャンを、売れていない時代から目をつけて応援してきた多くの達郎ファンの方々も、自分たちに時代を超える目利き力があるんだなとほくそ笑んでいるかもしれません。

帰宅した私はまだ興奮冷めやらぬという感じでした。買ってきたパンフの4万字に及ぶインタビューを読みながらメロディーズなどをipodで聞きながら深夜3時まで達郎さんの余韻に浸っておりました。その位、ジーンと来るライブでしたし、54歳になってもまだこんな感情が自分の中にあるんだな・・と思った次第です。(そういえば今回、会場内のグッズ売り場は物物凄い人で、今まで見た中で一番凄かった。開演前に買えなかったので、終演直後にロビーに出て買ったが、それでもアッと言う間に人だかりになった。CDも買ってサインをもらえたのは凄く嬉しかった。自宅に戻り額に入れて飾りました。苦節35年・・・。笑。)

そして、早くも2014年のツアーが何時から開始するのかが気になる私でございました。70年代のような演奏ラインナップで行うライブハウスツアーなんていうアイデアの噂もありますが、楽しみです。そうなると問題はチケット取得なんですよねえ・・・。


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通りすがりのjuno

SUGAR BABE時代から達郎サウンドのファンをやっています。
と言ってもファンクラブに入っているわけでもなく、今までコンサートに出掛ける事もありませんでしたが、今年初めて10月の中野サンプラザでのコンサートに出掛ける事ができ「生達郎」に感動でした(笑)
開演前の後ろの席からは長年のファンならではの会話が聞こえてきます。
弥が上にも盛り上がって来ますよね(笑)

オールデジタル化のサウンドはさすがに抜けの良い音でした。
ア・カペラのカラオケの音に一瞬「あれっ?」て感じたシーンはありましたけど。
とにかくサービス満点の3時間半にどっぷり浸かることができました。

実は今夜のコンサートのチケットも入手できて出掛けて来ます。
今夜は14列のちょと上手寄りで前回より1列前を確保できました。
楽しんで来ます。

ぐっと我慢してセットリストを書かないあたりは、さすがファンの鏡です(^^)
by 通りすがりのjuno (2013-12-23 11:45) 

鏡筆

山下達郎さんの「ターナーの汽罐車」の世界観を小説にしてみました。http://kikansya.exblog.jp/ご感想いただければ幸いです。この文章は無作為に送信しております。鏡筆
by 鏡筆 (2014-01-20 12:45) 

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