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現代の日本の音楽業界に何が起こっているのか?を知るためのまとめ。 [音楽に関わるブログ]

現代の日本の音楽業界に何が起こっているのか?を知るためのまとめ。

 

現代の日本の音楽産業は、簡単に言えば斜陽産業だ。それ故に、勝ち負けが明確になりつつあり、ビジネスを次につなげるような中間レベル層が消滅しつつある。
今後、近い内にアメリカではCDの製造工場が無くなると報道されており、生産数が減少すれば日本も同様だろう。
1960
年代から1997年まで右肩上がりの成長をしてきたレコードビジネスは、目を覆うような左肩下がりを見せている。変わって登場したライブビジネスは右肩上がりだが、かつてのレコード(CD)産業のピーク時を凌駕するにはまだほど遠い。それでも2017年には3000億円を超える市場となる。
しかし配信ビジネスは頭打ち状態だ。以下にまとめたサイトがあったので参考にしてほしい。

レコード業界の行方2013

http://magamo.opal.ne.jp/blog/?p=844


実際に現代の音楽産業は、マーケット規模の割にプレイヤーが多すぎる。またサザンやB’ZEXILEなどのメガアーティストに目を奪われがちだが、彼らは極一部の成功例で、全体を俯瞰してみると、音楽産業の従事者の所得レベルは著しく高いとは言えない面がある。
数多くのレコードメーカー、マネージメント会社など存在数は、マーケットが吸収できる規模を超えているというのが冷静なビジネス視点からの景色だ。
つまり、音楽産業は再編を必要としているのだ。

音楽産業には様々な従事者がいる。レコードメーカー、マネージメント会社、レコーディングスタジオ、ミュージシャン、アレンジャー、プロデューサー、レコーディングエンジニア、レコーディング機器メーカー、楽器メーカー、イベンター、ライブ制作者、著作権管理団体、流通関係(店舗等)、コンサートグッズ関連などだ。
マーケットでビジネスのポジションを確保するためには、大雑把にいえば、川上(供給元)に近いか川下(消費者)に近いかのどちらかでなければならない。しかしこの理論も必ずしも有効でない場合がある。レコード・メーカーは川上と川下をそれぞれに持っているが、ビジネス規模の縮小によって投資にビジネス実態が合わなくなり始めている。
またライブが有効かと言えば必ずしもそうではなく、ライブでの収益実態は僅かで、結局グッズの売り上げがライブの主要な利益を支えているという面もある。
そもそも音楽産業は、成功率15%程度のヒット率を紡ぎながら成り立たせなければならないという体質がある。ヒットから生み出した利益を再投資出来ない限り、いずれ才能の発掘には限界が出てくる。
1980
年代なら1000万円から3000万円強程度を投資できた音源原版制作も、現代では800万円以下がザラで、数百万というのが相場だったりする。予算の低下は録音作業にしわ寄せが来るため質にも影響が出る。昔のような予算で音楽を作れるアーティストは、回収見込みがハッキリしている人々のみで、それ以外は惨憺たる予算と制作環境だ。
最近はレコードメーカーと契約している新人が、路上ライブや対バンのライブなどでCDを手売りしていたりする。しかしCDipodなどの機器への音源伝達媒体にしかならなくなった時代、現物を買う人間は本当に僅かになってしまった。
固定媒体の売上に依存してきたビジネスモデルを簡単に捨て去る事は難しいが、いずれにしても命脈は尽き始めている。
今後、音楽を目指す若者が昔のように夢を持って参入してくれるかどうかは分からない。しかし、かつてのような中間層を消失してしまった業界での生き残りは、かつてない程厳しいのが現状だ。相当なキャリアを形成してきても、音楽事業継続が困難な時代になっているため、中途半端な才能では絶対に生き残れない。音楽産業が無くなる事はないが、かつてのビジネスモデルは崩壊し、新しい形に変化するだろう。近い将来メジャーデビューという概念も無くなるかもしれない。全員が個人のインディーズレーベルを持ち、その中から支持を集めたミュージシャンだけが職業音楽家として成立出来る時代になるだろう。既にあの矢沢永吉氏ですら、自身のインディーズレーベル(GARUR RECORDS)で活動している。彼はいつも時代を先取りしているが、彼のやり方が今後のメジャーアーティストの主流になる時代は近いと思う。それでもCDという商品をモデルにしたビジネスは、2025年までに殆ど成立しなくなるだろう。

私の親戚筋にもミュージシャンを目指す若者がいる。彼の能力の有無は私の判断外だ。しかし実家に住み、衣食住を親から賄われて夢を目指していると嘯く彼の姿を見て、こんな環境で成功出来るほど音楽業界が甘いなら、命を削ってやっている連中に申し訳ない感じだ。
そういう中、以下にまとめた音楽業界人の声を聞いて、古き良き時代と懐かしむのか、全く新しい時代を切り開く事が出来るのかを考えてみたい。いずれにしても、ミュージシャンを一生の職業として生きて行くのは相当な才能と能力とスタッフィングがないと続けられない時代になった。ミュージシャンが消える事はないだろうが、我々の時代のような多様性は無くなるだろう。そういう意味で近未来の音楽産業は画一的でアイドル的にならざるを得ず、硬派な音楽を好む層にとっては、もはや時代の終焉と考えておいた方がいいだろう。つまり過去の音楽に嗜好を求めるしかないという事なのだ。



佐久間正英氏 音楽家が音楽を諦める時

http://masahidesakuma.net/2012/06/post-5.html

 

音楽プロデューサー佐久間正英が語る「未来の音楽のために」(前編)

http://realsound.jp/2013/08/post-38.html

 

 

音楽プロデューサー佐久間正英が語る「未来の音楽のために」(中編)

http://realsound.jp/2013/08/20-1.html

 

音楽プロデューサー佐久間正英が語る「未来の音楽のために」(後編)

http://realsound.jp/2013/08/post-39.html

 

音楽プロデューサー・佐久間正英氏が語る「音楽業界の危機的状況」

http://blogos.com/article/42056/

 

山下達郎:職人でいる覚悟と関連記事

http://www.asakyu.com/column/?id=1028

http://www.asakyu.com/column/?id=1031

http://www.asakyu.com/column/?id=1034

http://www.asakyu.com/column/?id=1037

http://doraku.asahi.com/hito/runner2/121016_02.html

http://doraku.asahi.com/hito/runner2/121016.html

http://wmg.jp/tatsuro/official_interview01.html

http://wmg.jp/tatsuro/official_interview02.html

http://wmg.jp/tatsuro/official_interview03.html

http://wmg.jp/tatsuro/official_interview04.html

http://wmg.jp/tatsuro/official_interview05.html

http://adv.asahi.com/modules/feature/index.php/content0576.html

 

 

デビュー20周年の鬼才・石田ショーキチ登場 Spiral Lifeと90年代の音楽シーンを振り返る

http://realsound.jp/2013/09/spiral-life20.html

 

「20代のバンドはどう食べていくか?」石田ショーキチが示す、これからの音楽家サバイバル術

http://realsound.jp/2013/09/post-97_2.html

 

石田ショーキチが語る「激動のシーン20年」(第1回)

http://realsound.jp/2013/09/spiral-life20.html

 

 

石田ショーキチが語る「激動のシーン20年」(第2回)

http://realsound.jp/2013/09/post-95.html

 

 

横山健(ハイスタ)が今の音楽業界とインディーズ・レーベルのあり方に切り込む (前編)

http://realsound.jp/2013/10/cd-1.html

 

 

横山健(ハイスタ)が今の音楽業界とインディーズ・レーベルのあり方に切り込む (後編)

http://realsound.jp/2013/10/post-132.html

 

音楽業界でまさかの「逆転現象」発生中

http://president.jp/articles/-/8497

 

バンドは今やインディーズが主流 メジャーデビューでも食えない

http://www.j-cast.com/2011/01/23085796.html

 

NEVER  音楽業界の動向についてまとめ

http://matome.naver.jp/odai/2131521377900746401

 

 

 


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コメント 2

菊地正博

やっぱり、家入レオとかsupercellがアルバムに入れてるような曲が、業界的メインなんですか?わたしは、サブリナも好きだし、ホワイト製薬も好きです。でも、後半の曲が苦手です。
アーティストなら、椎名林檎と古内東子。
それでいて、けいおん!大好き!
こんな情報でも、ないよりましかと思い書いて見ました。
大学時代は、サザンのyoung Loveに傾倒。
今は、36です。
by 菊地正博 (2014-03-12 10:35) 

コロン

コメントありがとうございます。36歳の方の視点に触れる事が出来て大変にありがたい気分です。私とは一廻り以上違いますね。(笑)

私はある種、音楽ビジネスの発展過程に寄り添った時代を過ごして来たので、色々な音楽や産業発展過程を見てきました。成長時だったのでダイナミズムもありました。

音楽産業が無くなる事はないと思っておりますが、現代のように産業が成熟し変化する市場環境下での規模縮小により、新しい切り口が出難い産業になりつつあるのは事実です。これは成熟産業の副作用で音楽産業に関わらず起こるものです。コメントありがとうございました。

嗜好が細分化されコンテンツにお金を払わないでも楽しめる時代であるため、クリエイターがアイデンティティーを維持しながらビジネスを成立させるのが相当に困難になっております。今やアーティスト価値が代替出来ないのは、作品やイメージではなく、本人そのものになっているからです。
AKBでも嵐でも家入レオさんでもsupercellでもサザンでも色々とあるのは健全な世界だと思います。ただ、ビジネスの成立には、個人の趣味趣向の大きな集合を得られるかどうかでしょう。

中世欧州には王室によるパトロン制度がありましたが、現代ではそのパトロンであるべき我々が、対価を払わないでも作品を楽しめるという事実が問題を困難にしていると思ってます。アーティスト側としての現状唯一の解決策はライブ活動だけですが、これも色々な問題を孕みます。

時代変遷とは言え、音楽が時代の先端を走り影響力を持つことは無くなりました。寂しい限りですがこれを止める方法は今のところ誰にも分からないというのが本当でしょう。それでも音楽のない生活は考えられませんしこれからも音楽と作る人を愛して生きて行こうと思ってます。
by コロン (2014-05-07 10:46) 

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