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ド素人だから分かる! 誰も教えてくれない人生設計の描き方 ~Part-2 貯金の巻 [誰も教えてくれない人生設計の描き方]

ド素人だから分かる!


誰も教えてくれない人生設計の描き方


Part-2 貯金の巻


 


厚生労働省調べによれば、日本人の貯蓄の平均は以下であるという。


 


【年代別:平均貯蓄金額】


年代

平均貯蓄金額

29歳以下

1548千円

3039

4041千円

4049

6527千円

5059

1,0512千円

6069

1,3394千円

70歳以上

1,2635千円


 ※出典:国民生活基礎調査[各種世帯の所得等の状況](厚生労働省)



人によっては上記数値を見て、随分と他の人は貯めているなあ・・と思う人も多いだろう。


年齢が上になるほど貯蓄額が多くなるのは、経年による積み上げがあるからだが、平均的にみて60歳代が貯蓄のピークとなっている。


当然だが累積労働時間が長いからだ。
また70歳から下がっているのは貯蓄の一部を切崩している査証だろう。


当たり前の事なのだが、平均的もしくはそれ以上の貯蓄をするためには、そもそも生涯年収がある程度高くないと難しい。
若い時は貯蓄よりも可処分所得を使う事で人生に役立つ資産を得られることもあり、必ずしも積極的に貯蓄に励む事が良いとは思わないが、ある年齢以降では貯蓄もしくは運用を意識しないと今後の100年時代を乗り切る事は出来ない。


年齢以降の家計を考えると、貯蓄や積み立ては避けられない行為になる。


さて、一体何を目標にして貯蓄をすればいいのだろうか?


以下は日本の平均的な労働者の賃金風景だ。


 


日本の平均年収の男女内訳(国税庁調べ 平成30年度版)


平成30

平均給料

平均賞与

平均給与

455.1

89.9

545.0

251.9

41.1

293.1

371.0

69.7

440.7


 


男女平均額の年収440.7万円に38年を乗ずると約1.7億円だ。これが日本の労働者の平均的な生涯年収像と言っていい。


上記額から税金等が控除されるので、手元に残るのは75~78%程度となる。これに退職金が加わる事になるが、退職金はゼロから数千万近くまでの千差万別なのでこの段階では言及しない。


いずれにしても、殆どの人々は、この位の賃金で現役時代を生き、老後に備える事になる。


参照資料:厚生労働省 都道府県別平均賃金(平成30年度版)


https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2018/dl/13.pdf#search='%E5%8E%9A%E7%94%9F%E5%8A%B4%E5%83%8D%E7%9C%81+%E9%83%BD%E9%81%93%E5%BA%9C%E7%9C%8C%E5%B9%B3%E5%9D%87%E8%B3%83%E9%87%91'


 


仮に60歳で定年退職し、男女の平均寿命の真ん中辺りとなる25年間を生きたと仮定しよう。


60歳からの毎月の生活費を25万円と仮定した場合、死ぬまでに生きるために合計額で7,500万円(25万円×12ヵ月×25年)必要となる。


凄い金額だと分かるだろう。


 この人の年金が65歳から出ると仮定し、毎月の受給額が15万円とすれば、年金だけで4,500万円を受給することになる。


しかしここから約20%程度の税金等を納めるため、可処分所得は3,600万円となり、7,500万円との差額は3,900万円となりこれが不足額と分かる。
さて、仮に退職金が1000万円あったとしよう。退職金は一定額まで無税なので、この場合、不足額から控除できる。


これで残不足額は2,900万円だ。
月額に直すと9.6万円相当だ。


 現役時代に総額2,900万円を目標として貯蓄を計画、実行することになるが、これを現役時代の労働期間38年で割ると平均で毎年76.3万円、毎月平均で約6万円余程度の貯蓄が必要だと分かる。


仮にマンションなどのローンがある中で、さらにこれだけの貯蓄を考えるとすれば、中々大変な額だと思わないだろうか?


そこで、これはとても無理だという事なら、以下の選択肢から実行しなければならない。


     60歳以降も働いて一定の現金を稼ぐ(人的資産の活用)。


     現役時代の大幅な支出見直しをして実行する。


     60歳以降の毎月の生活費を削減する。


     現役時代に給与の良い仕事をして貯蓄額を増やす(人的、人脈資産の活用)


     投資等の運用で増やす(もちろん減るリスクもあるが・・)(金融資産の活用)


 


例の年金2,000万円問題というのは別に特別な事ではなく、かなり当たり前の事を言っていると分かるだろう。貯蓄に関する人生設計は、たったこれだけの加減乗除で整理して整理出来るのだが、皆さんはどのような感想を持っただろうか?


現役時代に2,000万円を貯蓄出来たと仮定すると冒頭のケースでも、まだ約900万円近く不足する。


900万円の不足を補えなければ何等かの対処が必要だが、一番簡単なのは生活費を削減する事だろう。


月25万円を22万円に削減した場合、削減額は25年間で総額900万円となる。


計算上はこれで解決する。


しかしこれは計算上の話で、現役の生活には意図しない支出があったり、無駄使いをしたりと様々な事が起こる。


 


また60歳以降になると病気等の確率が高まり、大きな支出を余儀なくされるケースが多くなるし、自分の葬儀費用だって保留しておく必要がある。


従ってベースラインとしては上記の通りだが、実際はそれ以上にバッファーを持っている必要があり、最低でも500万円、できれば1000万円以上の余裕があれば安全圏内と考えてもいいだろう。


従って、還暦後の25年の間に更に不足する1000万円を何等かの方法で調達するという事になる。


例えば定年後も70歳まで10年間、何等かの形で働いたと仮定すれば、手取り年収平均100万円(額面では135万円程度)の収入を得れば対応可能と分かる。


橘玲氏の著作にもあるが、人間が持っている資産は、「人的資産」「金融資産」「人脈資産」の3つであり、これのどれかを使ってしか資産形成が出来ないと語っているが、全くその通りだと分かる。


メディアで報道される年金は、老後を担保するもののようにミスリードされているが、実際の年金は「保険」でしかない。


つまり年金は、現役時代の納付額で決まるというだけで、長生きすればそれだけもらえる訳だ。
支給額は現役時代の収入の50~60%で設計していると言われているが、実際の支給額は1人辺り年間70~180万円程度だ。
従って年金収入だけを当てにして生きるのは中々大変だと分かるだろう。


特に今の20代、30代の人たちは、今からそれなりに意識を持って60歳以降の生活設計を見据えないと時間が足りなくなってアウトになる。


時間があればあるほど優位性があるからだ。


現在は70歳定年などという言葉が出てくる時代であり、企業側からしたら人件費の負荷が重くなる時代が見えている。
当然近い将来、正社員の数を大幅に絞る時代が来るだろうし、労働者の多くは数社掛け持ちなどという働き方が当たり前の時代も来るかもしれない。
特に年齢が40歳以上になると極めて厳しい時代が来るのは目に見えている。


時間的余裕があればあるほど対処する選択肢が多いので、上記を良く考えて備えておいた方がいいだろう。


過去記事:


ド素人だから分かる!
誰も教えてくれない人生設計の描き方~Part-1 自宅購入の設計図の巻


https://skjmmsk.blog.ss-blog.jp/2019-10-31



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誰も教えてくれない人生設計の描き方 ~Part-1 自宅購入の設計図の巻 [誰も教えてくれない人生設計の描き方]

ド素人だから分かる!


誰も教えてくれない人生設計の描き方


Part-1 自宅購入の設計図の巻


 


私は20199月で還暦を迎え、それに伴い定年退職となった。


私の社会人人生のスタートは、いわゆる普通のサラリーマンとはちょっと違う。大学時代に就職活動をせず、そのまま社会に入っていったからだ。


就職活動をしなかったのは、当時ミュージシャン志望だったからだ。


 


当時の自分を今の自分の視点から見ると無謀でしかないが、当時の私には自分の力量と未来を見渡せるような能力が無かった。


それでも夢のために必死に生き、23歳から42歳まで憧れの音楽業界に席を置いた。当初描いていた夢の一部は叶ったが、多くの夢は破れた。
そして42歳から60歳の定年まで、衛星放送と映像事業の業界に席を置いて生きてきた。


自分の人生の総括はまだわからない。
スガシカオの曲、Progressの一節に「ずっと探していた本当の自分って もっとカッコ良かったけど」とあるが、あの心境は私にも重なる。


 


還暦になった私の実感は、若い時、ちょっとだけ人生を刹那的に行き過ぎたかもしれないという事だった。


そういう意味で、私は人生の設計図を描き切れないまま還暦になったと言っていい。


この企画はその反省から産み出てきたものだ。


 


実社会に入ると、人生設計に必要な情報や知識を誰も教えてくれない。
自分自身で気が付くか、他人の生き方をベンチマークするしかない。


先日、アレックス・バナヤン著の「サードドア」を読んだ。ビル・ゲイツを始めとする成功者への様々なインタビューを通じた彼の総括は、「自分が何者かは、自分の能力ではなく、自分の選択で決まる」とあった。


自分の人生を振り返っても選択の重要性は思い当たる事が多いし、より良き選択が人生を様々な方向に導く事も理解できる。


多くの人々は、他人がどのような人生設計を持ち、どのようにより良い老後を暮らそうとしているか詳しく知らないはずだ。


私自身を振り返れば、色々な情報や現実を理解していれば良き選択をした場面が多かったと思う。


若かった時代は未熟でそうした考えすら浮かばなかったことが悔やまれるが、色々な人たちと話しをしているとそれが自分だけではないことに気付く。


 


果たして人生は適切に見通して設計できるものなのか?


また人生をより良く送るために知っていた方が良い事は何なのだろうか?


ここでは様々な観点を整理して書いてみようと思う。


 


◎自宅を購入するという設計について


 


自宅購入の基本設計図:


    自宅購入総額=【手取り生涯収入(見込み)+相続遺産見込み】×25%(以下)


    自宅購入総額とは、自宅購入ローン額(税別)+利息+維持管理費の合算値である。


    収入のピークに合わせた価格決定をしてはいけない。


    老後の自分や家族の在り方を見通した家選びをすること。


    老後の体力に合わせた家選びをすること。


    本当は家を買わず、借り換えできる人の方が人生の柔軟性に対応できる。


 


誰にとっても自宅を持つ事は夢の1つだろう。殆どの人にとって自宅を買う事は人生最大の買い物と言って過言ではないし、事実そうだ。


マンションにしろ、一戸建てにしろ、数千万円の物件を長期ローンで買う判断はかなり困難を伴う。
その理由は、誰にとっても初めてなのに、ほぼ最後の経験になるからだ。従って自宅購入にまつわる失敗談は数多く、当然そうして失敗談を見聞きしても経験後に分かる様々なトラブルをその後に生かす方法もない。また多くの人は大抵の場合、失敗談を我が事だと思わない傾向がある。


 


さて、自宅を購入する際、最も困難なのは購入金額の決定だ。


以下、上記記載の自宅購入の基本設計図の①と②について書く。

大抵の場合、自宅を購入する年齢は20代後半から40代初頭が多いが、それ故に将来の給与の伸びや不測の事態を甘く見積り、自分の許容量を超えた金額の購入設定をしてしまう。


自宅の購入金額を決定する際のキーポイントは、「手取生涯年収(手取生涯世帯年収)」の見込み額だ。
20
代後半の人が60歳(現在の平均的定年)までの想定手取り収入を予測するのは非常に困難だが、会社員なら自分の会社の50代の人の平均的な年収を調査することである程度可能だし、上場企業なら四季報を読めば前者平均給与額の掲載があり、そこから予測可能だ。
一般的な意味では日本全体の男女の平均収入、もしくは世帯収入を参照することも可能だ。国税庁が発表している2019年の日本の平均所得は、432万円(男性平均:531万円、女性平均:287万円)だ。


 


https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2018/minkan/index.htm


 


仮に60歳までの38年間を働くと、平均で約1.6億円の額面所得となり、手取りだと約1.2億円と推定できる。


さてこの平均的なケース場合、自宅の適切な購入額は一体幾らなのか?


 


賃貸物件に住んでいる人たちは知っていると思うが、収入に対するアパートの家賃率は最大でも月額手取りの30%以下と聞いた事はないだろうか?


 


この数値は非常に実質的な数値で、これを上回ると生活費の他の部分を削る必要に迫られることが分かっている。


私の経験測で言えば、25%以下が適切で、出来れば2023%以内にしておかないと、将来の賃金変化や修繕費、貯蓄等への対応が出来ない。


さてこの数値に先の平均生涯年収を当てはめてみよう。


仮に30%とすれば、1.2億円×0.30.36億円(3,600万円)と算定される。


 


なお、この額は、不動産取得税や、ローン金利込みで、尚且つマンションの管理費、関連税を加えた額である事を理解して欲しい。


そうなると3,600万円の物件が購入できる訳ではなく、実際は2,000万円台中盤位が適切という事になる。


地方ならともかく、東京だと1DKレベルかもしれない。家族が住む家としては狭すぎる。
つまり大きな物件を買うなら23区外や隣接県に求めることになるし、場合によっては地方ということにもなる。


仮にあなたが生涯予想手取り年収2億円(生涯平均額面年収800万円程度)とすれば、理論的には3~5千万円の物件が可能だ。


またより細かく指摘しておけば、支払いの際、ボーナスを当てにした支払い方法は避けておいた方がいいだろう。本来家賃は月額の手取り収入に対して支払い可能な額にしておくべきで均等払いの方が設計が楽だ。また収入が下方になった際のボーナス払いは圧倒的に家計を圧迫する。


仮に購入時にそれなりの貯蓄があり、頭金を支払うことでローン額+管理費を家賃程度に圧縮出来るのであれば、その方法がベストだ。一時的にキャシュフローが減るため頭金の設定は慎重にして欲しいが、ローン額と時期を短くする方が結果的に良いからだ。


またローン完済年齢は60歳前までがいいが理由は後述する。


生涯年収が平均よりも遥かに高い人たちや親の資産提供で補填してもらえる階層は、それに比して条件の良い物件を手に出来るが、生涯年収の平均値だけから算定すると、この位が日本の平均だと判る事を理解する必要がある。


 


何を言いたいかと言うと、平均的な収入の階層は、自分の親からの資産配分か、結婚相手の資産配分無しで高額物件にアクセスすることは困難で、アクセスした場合、何かを犠牲にしなければ支払いが難しいということだ。


 


私のような独身の地方出身者が東京に住み続けるために東京圏に家を持とうとしたら、日本の平均生涯所得の2倍以上の所得がないとあるレベル以上の自宅を持つ事が叶わない。


もしくは、運よく結婚相手が自分よりも収入が上で世帯収入が平均の2倍以上を確保出来るか、もしくは結婚相手が資産家なら可能性が高くなるだろう。


東京に住んでいる人たちには理解し難いだろうが、地方出身者が都会で人並みの家を親の資産援助無しで持つのは結構ハードルが高いのだ。


つまり、自宅を購入しようと思ったら、自分もしくは世帯の生涯年収の予測と、付き合う女性(もしくは男性)に関する様々な面での検討が必要となる訳だ。


当然、若ければ若いほど、こんな世知辛い視点で人生を送ろうとは考えない人たちが殆どだろう。それは当然だ。
また、この考え方に眉をひそめる人がいることは十分に理解した上で書いているが、結婚は相手によって自分の人生が変わる可能性が一番大きなイベントだと知っておいた方がいい。
誤解なきように書いておくが、金銭的環境だけで結婚の幸不幸につながらない。実際、我が家は中流家庭で資産も殆どないが、母は父に感謝して生きていた。


それでも余りに金銭的余裕がないと、精神的余裕を失う事は自明の理で、やはり金銭は適度に必要なものである。

いずれにしても、自分の実家に配分されるほどの資産がない人は、自分自身で作り出すか、結婚相手の資産によって嵩上げする必要があることを覚えておいて欲しいだけだ。


「玉の輿」という言い方があるが、これは男女両方に当てはまる。


若い時の恋愛感情は、前述のような冷ややかな計算に基づいて起きるものない事は十分知っているし、そうした無垢な恋愛感情が結婚、出産へ導いてくれるのだが、数年もすると恋愛感情の魔法が解け、金銭が飛び交う現実に立ち向かう毎日となる訳で、いずれにしても金にまつわる人生設計をすることになる。
従って上記記載の考え方は好き嫌いは別にして理解していて損はない。


 


昨今、人生100年時代と言われる。


一戸建てにしてもマンションにしても耐用年数があり、特にマンションはかなり丁寧に住んでも50年程度が限界だ。
一戸建ても建築条件に依拠するが、余程木材を中心にして金をかけた建築以外は50年程度だろう。


そうなると20代で購入した場合、建物の耐久性によってはもう一度買わなければならないか大規模な修理を必要とする計算になる。
しかし高齢になって金をかけるのは不可能なので、買ったマンションをどこかの時点で売って新しい住居を買いなおす必要があるが、これもなかなか難しい。


実際買い替え行為が可能な人たちはかなり少数で、普通は最初に買った物件に住み続けることになる。


 


ここ数年、東洋経済のオンライン記事に、年収1000万円以上の人たちの生活破綻が幾つも出ていた。普通の感覚で年収1000万円以上が生活破綻するとは俄かに信じられないが、私の周囲にもこうした人は散見される。


理由は簡単で、年収1000万円以上の人は日本で収入のある人たちの中で約4%程度しか存在しないが、死ぬまで年収1000万円以上を維持できる元サラリーマン層はほぼ皆無だからだ。


年収1000万円以上の人たちは、30代後半から40代中盤にかけて年収が上がり始め、同時に生活支出を増やしてしまう。
収入が維持できれば支出も維持できるが、大抵のサラリーマンは還暦年齢まで年収をピーク同様に維持することが困難だし、還暦以後は殆どの人たちが例外なく現役時代の年収の3040%以下になる。
その後年金だけの収入になれば、更に収入は下がるが、それが高齢者の家計の現実だ。
従って年収増加に合わせて支出を比例させてピークを作る事が如何に非合理と分かるだろう。


自宅購入の基本設計図の③はこの事を示唆している。


 


また、先ほどローンの支払いは60歳までに完了した方が良いと書いた理由は、この点にある。


多くのサラリーマンは、自宅購入のローンの支払い終了時期を65歳以降にも設定している。(私の知り合いは80歳まで設定していて驚いたが・・)


これは、年収が減る中でローン返済額が減らないままとなり、収入に対する返済額が許容率の30%を超えてしまい生活を圧迫する設計をしていることになる。


また前述したが、昨今役職定年等で50歳以降に減収するケースも多くなり、こうした場合も上記と同様になる。年収1000万円の人が10%減収しただけでもローン負担は相当なものになる。


私がローン設定額を20%に近い程度にしておいた方がいいという理由は、こうした背景があるからだ。


 


基本設計図の④~⑤は、意外な落とし穴と言っていい。


大抵の場合、家を買うのは若い時で、健康で体力もある。


大抵の人は自分の現在の状態に合わせて家を買ったり建てたりしてしまうが、多くはこれで失敗する。
特に子供がいる人は、部屋の多い物件にしたり、土地が安いからと言って、かなりの道のりを登るような高台に家を持ったり、また人によっては3階建てにしたりする。


家を持つ際、その家に永遠に住むのは誰かを考えた方がいい。また自分たちが80歳に近くなった時にどのような状態になって家に住む事になるか想像を巡らせた方がいい。


 


昨今は歩き先々で高齢者に出会うが、彼らはあなたの未来の姿だと考えておくべきだろう。つまり大抵の人はある年齢でヨボヨボになって杖をつき、腰が曲がって容易に歩けなくなるのだ。認めたくなくても大抵の人はそうなる。


だからそういう状態でも住める家を求めておかないと、大変な苦労を背負う事になる。


実は、私のとある知り合いは3階建ての家を建てた。私がその家に行って思ったのは、最終的に夫婦2人だけで住む家をこんな大きなサイズで作ってしまった大丈夫だろうか?という事だった。日常的な掃除や維持管理だけでも大変だし、そもそも高齢になって3階への階段移動が可能だろうか?という疑問が浮かんだからだ。


他人の家なので、彼らに私の意見はコメントはしなかったが、こうした家は決して例外でなく、大抵の人たちは若い時代の体力や状態だけを念頭に置いて家選びをしてしまうという典型的な事例なのだ。


 


最後に自宅購入の基本設計図の⑥について書く。


この考え方はかなり逆説的だが、201910月の台風や豪雨被害がヒントになっている。


特に今年の豪雨被害は酷く被災者の方々の現実には本当に心が痛い。


その中の被害者の一人で、テレビの取材に応じた方が印象的だった。
定年退職を機に東京の自宅を売り、転居先に建てた家が洪水被害にあった方だった。
まだローンが残る中での破壊的被害は、他人の私が見ていても心痛する状況だった。


また、千葉のゴルフ場の施設の倒壊が自宅を破壊した例も同様に酷い状況だった。まだ30代と思われる男性が、家の修繕や今後のローン支払い、また事故補償の行方に心を痛めている姿は同様に心痛するものがあった。


仮に彼ら全員が賃貸だったらどうだったろうか?


家財道具は最低限度の保険に入っているため多少の保証が受けられ、また引っ越せば新居で新しい生活を再開できることになる。


今回の災害で家に関わる保険料は大幅に上がるだろう。


その金額を死ぬまで支払うとして、幾らになるか計算してみたことはあるだろうか?


様々なケースがあるので一概に言えないが、マンションの場合で、30年で120~200万円程度、一戸建てだと300~500万円近くなる。


果たしてどちらが良いのだろう? 


家を持たないことは悩ましいが、持つ事も結構悩ましいと分かる。


 


自宅を持つというメリットは絶対にあると思っている。
しかし自宅がある場所によってはデメリットにもなる可能性があるし、それが人生を揺るがす事もある。


賃貸の場合のリスクは、高齢になり、収入が少ないので入居審査に落ちやすいという点だ。


ただし、今後空き家が増え、利用者が減る時代に入る事を考えると、高齢者の住人を受け入れないと成立しないと推定される。


さて、後はあなたの選択である。


 



最終結論:


家を持つか持たないかという人生設計をするということは、現在だけで考えず、人生終盤までを俯瞰して設計しなければ「選択」を誤る。


仮に何らかの誤った選択をすると高齢時にツケを払う羽目になるため慎重にした方がいい。


また高齢時になって払うツケは、取り返すのが殆ど難しく、人生に重い最後を突き付ける可能性がある。



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