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出川哲郎氏の気遣い ~番組を俯瞰した出演者という立ち位置 [独り言]


ここ数年、最も嫌いなタレントナンバーワンだった出川哲郎氏の高感度が上がっている。
テレビ東京のゴールデンで放送中の「充電させてもらえませんか?」は、彼のキャリアの中でも出世番組の1つになるだろうし、
遅咲きのスターになりそうな感じすらある。
特に「充電させてもらえませんか?」を見ていると気が付く事がある。
それは、本番中の出川氏がディレクターや出演者に色々な意見や指示をしているシーンが頻繁に出てくることだ。
例えばディレクター氏のバイクの充電が切れた際、ディレクター氏が前走する出川氏にその事を伝えないまま撮影が進行し、あとで充電させてもらうことになった宿屋の風呂場で
「アレはちゃんと言ってくれないと(進行上)困んだよ」とダメ出しするシーンがあったり、
出演者が充電切れのバイクを持ち込んだ先が喫茶店だったのだが、出川氏はその直前も同じ様な店だったので、
流れ的には変えて欲しかったなあ・・とつぶやりたり、とこの手の発言が枚挙暇がない。


彼のそうした言葉を聞いていると一貫した考え方がある。
それはいかに番組を面白く構成し、見せ場を作れるか?という番組職人にも似たものなのだ。

同じテレビ東京のとある番組で、彼の後輩芸人に順位をつけるという番組があったが、
順位付けの際に彼がポイントとしていたのは、個人的な性格や芸人個人としての面白さだけではなく、
番組内での芸人の立ち居振る舞いの技量を中心に見ていた点だった。


特に彼は他の芸人が個人的興味の範囲でしかリアクションを取らない事や諦めてしまうことに対しては
厳しい評価をし、全て受け止め全て処理するくらいの気持ちで臨まない芸人への評価が低くしていた。

「充電させてもらえませんか?」のように素人を相手にするドキュメンタリー風の番組は、
ともすると面白い素材に出会わないまま収録が終わってしまう事がある。
そういう匂いがする時でも出川氏は事件を作り出しても見せ場を作ろうとして頭をフル回転している様子が伺える。


ヘンな見た目の人や面白い反応をする人、在り得ないような環境、そういう尖ったもの、面倒臭い感じのするものを一般に日常から自らのカンで拾い出し料理する技術は、笑福亭鶴瓶氏にも似ているが全く違うアプローチを取って成立させている点で面白い。


そう言えば、出川氏の撮影現場でムゾウムゾウに集まってサインを求められ、
写真撮影を願う一般人への神対応は伝説的域にいるが、
笑福亭鶴瓶氏も全く同じような神対応をすることで知られている。


実際、撮影現場でこうした対応をするのは面倒で時間を取られエネルギーのいることなのだが、
彼らは自分たちが勝手に乗り込んで撮影をしているのだから
その位は当たり前だと言い手を抜く事なく対応しているというから恐れ入る。
実際、番組当初はスタッフが止めに入ろうとしたが、出川氏はそれを制したという。

話を元に戻すが、出川氏は出演者でありながら、ディレクターよりも高い目線で番組を俯瞰している点が興味深いのだ。


数日の及ぶロケの中で、ここが使えそう、これだと尺を作るのに不十分、構成に抑揚が無くなっているかもしれない・・など本来は出演者が心配しなくてもいい部分まで拾って処理する辺りが彼のベテランとしての価値であろう。


かつて島田紳助氏が、司会側としては出演者欄に出川の名前があるだけで「何とかなる」と思わしてくれる芸人であり、ホームランや長打は打てないけど、内野安打は打ってくれる。打てない状況でも次につながるように攻撃をしてくれる。
彼に振る事で番組のテンションを上げてくれると、話したいたという。
また明石家さんま氏はタレント志望の女性が出川クラスの2流タレントになれれば満足と言う発言に『出川は1流や!』と一喝した事をみても、出川氏のお笑い界での評価は高いと見てよい。


出川氏が「次につながるように攻撃をしてくれる」という見方をされているように、
彼が番組全体を俯瞰して自分の役割を常に考えて出演しているからだろう。
そのため他の出演者が手を抜くのは許さないマジメさもあるだろうと思われる。
実際、かなり頑固な面があるのは知られているが、職人気質の表れだろうと思われる。


いずれにしても、出川氏の今後の活躍には目が離せない。

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