SSブログ

山下達郎様 ライブで大声で歌う客に苦言に感じる客の佇まいとは? [独り言]

私が毎週拝聴しているTOKYO FMの山下達郎様のサンデーソングブック。
ここ最近達郎さんのコメントがネットニュースに連続して取り上げられている。


2017/9/17放送:
山下達郎様 ライブで大声で歌う客に苦言「あなたの歌を聞きに来ているのではない」
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170918-00000094-spnannex-ent



記事を読むと分かるように、金沢のリスナーからのハガキに答えたものだ。
ライブで大声で歌う客は邪魔なのか?という問いだが、達郎さんは「邪魔です」と
明快に回答。
そして「一番迷惑。あなたの歌を聞きに来ているのではないのです」と付け加えた。


私も全く同感だ。
本記事がネットに上がると殆どは同意見の反応だったが、
中には「楽しみ方は人それぞれだ」などの少数意見があったのも事実だ。


意見は色々でいいのだが、こういうケースに遭遇してご自身が会場で
うるさいと思った事が無かったのかな?ってシンプルに思いました。


誤解無きなのだが、ポイントは「大声で歌う」であって「歌う」ではないのだ。
私だってライブ中に歌います。でも余程の事以外では声は出しません。
通常は口パクです。エアーシングをするだけです。
声を出して歌うのは、ミュージシャンが観客に向ってに歌え!って指示する時だけにしております。


音に素人の方には敢えて言っておきたいが、音には直進性が強くあります。
従ってライブ会場で「大声で歌う」「大声で喋る」と前方に座っている人たちが一番の被害を受けるのです。
また横に居る人でも、座席が左右寄りにある場合、ステージに向ってやや斜めを向くために、
左右の人の歌声が片側の耳だけから良く聞こえる訳です。
後ろと左右から歌われたらPAからの音ですらキチンと聞ける環境になる訳がありません。
また、大抵こうした連中は例外なく音痴か歌が下手ですし、他の人が全く歌っていないのに歌うKYな事が多いのです。
こうなればライブの質がどんなによくてもライブがズタズタになるのは理解できるでしょう。


達郎さんもおっしゃっているように、「一番迷惑。あなたの歌を聞きに来ているのではないのです」に
色々な鑑賞に対する価値観を交えて論じようとする人がいます。
例えば海外だと相当ワイルドな客が多いのも事実です。歌うだけでなく肩車をしたり、旗振ったり、踊ったり、
ドラッグしてたりと、相当迷惑に思える環境で見ているのです。
まあ土地土地に色々な価値観はあるだろうと思うのだが、やっぱり現地でも迷惑だと思っている客はいるだろうと思います。
また日本人の客の一人としてシンプルに言えば、高い金と時間を使って周辺にいる下手くそな歌を聴かされるのは
コンサートへの来場の価値想定には入っていないのです。
何故コンサートに来場するのかと言えば、金を払うだけの価値をもったミュージシャンたちの演奏や歌を聴くためなので、客の歌を聴くためではないのです。
演奏側も客に歌わせる部分があればそういう設定をしており、それ以外での客の歌はノイズ以外の何物でもありません。


では個々人が楽しむために歌ったり踊ったりハシャイだりするのはいけない行為なのか?


これを有体に言えば、「客の佇まい」の問題だろうと思います。
歌舞伎だと、見栄を切るような瞬間に客から声が飛びますが、あれは誰がやって良い訳じゃなくて、
「客の佇まい」としてやれる客がやる訳です。
舞台が客を育て、客が演者を育てる、その中に双方の佇まいが生まれる訳です。

つまり「客の佇まい」は、会場の環境やアーティストの個性が常識的に許す範囲を周囲の状況を鑑みて
個々人が決める他はないという点と、自分の行為が他人や会場に及ぼす影響を考えて行うって事になると思います。
そういう意味で知的行為の集積がないと難しい部分だろうと思います。
ただ、金沢から達郎さんにハガキを送ってきた人のように、大声で歌う行為が迷惑なのか?を素直に問いかける人もいるので実にヤヤコシイ訳です。
また金を払えば何でもあり!みたいな下品な輩が集団で来るようなライブになると、客の佇まいなんて無くなり、普通に見たい人には悲劇になる訳です。
野外ライブでビールをかっ喰らって無関係に仲間内だけで大声だして騒いでいる輩を見た事があるでしょう。

あれです。



ポールマッカートニーが来日した際、私は一度武道館で見ましたが、残念なほど観客が歌うため、彼の演奏や声を聴くのが非常に困難で不満の残るライブとなりました。
また彼のドームでのライブでは、アリーナ席で周囲の迷惑を顧みずはしゃぐグループがトラブルになっていたり、ライブを見ないで写真ばかり取って写真を眺めている意味不明な人もおりました。
ipadの画面が明るかったので、演奏中は止めるように言いましたが、こういうのが平気な輩が多いのも事実です。
また、武道館でクラプトンを見ている時にオヤジとクラプトンなんて全く興味の無さそうな若い女が隣に座ったが、
演奏中、オヤジが女に自慢の解説をしているので、演奏中に話をするのは止めてくれと言うと、数曲後には席を立ち
帰って行きました。一体何しに来たのやら?です。
男女関わらず多いのが、演奏中に何やらずっと話をしている人たちです。
家でCDを聴きながら話をしているような感覚なのでしょうが、この手合いに後ろに座られると凄く邪魔です。

当然だがPAの音が大きいからお互いに大きな声で話す訳です。
前に居る人にとっては凄く邪魔なノイズです。せめて演奏終わってからにして欲しい。
ロックコンサートはPAの音も大きいので、多少の声や歌なら気にならないと思われがちですが、
実はこうした音は演奏に含まれないものですから非常に気になるのです。



「客の佇まい」には明文化されたルールはありません。
個々の主観的価値だと言えばそれまでです。
また日本と海外では違います。
それでも自分の行為が他人に及ぼす影響くらいは考えが及ぶでしょう。


大声で歌いたければカラオケで歌えばいいし、語りたければ終わったあと飲み屋で死ぬまで語ればいい。
踊りたければ別の広い場所で踊ればいいだけです。
ロック系のライブをクラシックコンサートのように静寂の中で聴けとは申しませんが、
演奏の呼吸とは全く脈絡のない客の行動は慎んで欲しいというのが私の気持ちです。


日ごろから達郎さんは「ライブは観客と演者が作るもの」と言っておられますが、
客の空気は非常に演者に影響するものだし、「客の佇まい」によって自分の感動にも差が出てくることは多いです。


そういう意味で自分も含めて「客の佇まい」には配慮したいと思う次第なのです。









nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。