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Queen“Bohemian Rhapsody”のサウンドの秘密を探る Part-7 [音楽に関わるブログ]


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ブライアンは自身のギターサウンドについて語っている。

「リズムセクションが終わるとギターのダビングが待っている。レコーディングの手順は通常そんな流れになる。何本ものギターを使ってオーバーダビングをすることで多彩な音色を作る事が可能になる。私の場合は、オーケストラが違う楽器で演奏しているような効果を生むために意図的にギターのピックアップを様々に変えたり、アンプを変えたりして音を作るんだ。例えば“Mama, just kill a man”の部分ギターの高音域のアルペジオは、ワザとギターのブリッジ近くを弾いたり、弦を引掻いたりしたことであのサウンドを作ることが出来たんだ。オペラセクション前のギターソロのフレーズはどこから湧いてきたのは細かい記憶はないんだが、私の頭の中で鳴っていたんだろうね。とにかくこのソロのフレーズは曲のメロディーに反応した流れで演奏しているんだよ。そもそも私の演奏スタイルはまず頭の中でイメージして鳴らしてみるんだよ。それで座ってギターを構えて指に演奏させるのさ。指の動きは極めて予測可能なものなんだ。ただし頭の中のイメージが指の動きを先導して演奏をする場合は除くがね。」

 

ブライアンのギターが完全に録音される前は、多くの実験的録音が行われていたとベイカーは語る。

「我々は違うタイプのマイクをギターアンプにセットしたんだ。これは現在でもやっている方法なんだが、マイクの音をいくつか違うパターンで組み合わせて1つのサウンドを作ってみたりしたんだ。ブライアンのVOX AC30というギターアンプは背面に遮蔽が無いオープンタイプだった。だから我々は、ギターアンプ背面の壁の方向にアンプを立てて、スタジオの壁の跳ね返りの音(アンビエント)を録音できるようにし、ギターの全周波数をカバーできるようにしたんだよ。録音セッションの際には常に実験的な方法を試していたよ。またオペラセクション直前のソロギターは複数トラックを使用しないで単チャンネルの演奏として録音されている。」

セッション中の実験は常時行われていた。通常ブライアンはAC30を使用していたが、ブライアンのインタビューにも出てくるジョン・ディーコン作製の、3ワットほどの出力しかないタンディー・ラジオシャックのスピーカーを合わせて使っていた。

「我々は同時にトレブルブースターも併用した。それにより変わった音色を求めて、金属とコンクリート製のチューブ状の中にマイクを突っ込んで録音したりもしたね。その試みの全てが上手くいったよ。現在に至るまでその気持が変わらないね。」

 

ブライアンはロジャーの演奏の様子についても語っている。

Bismillah辺りにはロジャーがティンパンーをダビングしている。チューニングがいいんだよね。曲の初期のロジャーのドラムサウンドはタイトだが、ロックセクションからは別録音しているルームサウンド(ドラムの本体から距離を離して立てられたマイクで部屋鳴りを収録したもの)を使って拡がりを持った感じになっている。ここではルームサウンドが重要で、これがないとあの部分のドラマっチックな雰囲気を作る事はできなかったんだよ。

トライデントスタジオのドラムサウンドは伝説的なものだったよ。カーリー・サイモンなんかでも聞くことが出来るが、非常にタイトでクリアーなサウンドが録れる場所だった。ドラムを録音する日にロジャーと口論になったんだが、私は拡がりのある音が欲しかったのだがまだ若くてどうやってその音を得たらいいのか分からなかったんだ。そこでロイがエコーで対応できると言ってくれたんだが、そういうイメージの音を求めているんじゃないんだと伝えたよ。
それで部屋中にドラムから離れた場所にマイクを立てたんだ。そして最終的に我々が作ったドラムの音の主要なものは全て離れたマイクを基本にして、ドラムセットに近くに立てたマイクは、スネア以外にはほとんど使っていないんだ。いわゆるアンビエントドラムサウンドだね。」

つづく

Part-8につづく:
https://skjmmsk.blog.so-net.ne.jp/2013-04-24


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