桑田佳祐様 I Love You 横浜アリーナ 2012年12月30日 [ライブ・コンサート]
桑田佳祐様 I Love You 横浜アリーナ
2012年12月30日 天気:雨
食道ガンの手術から初の全国ツアーを開催するまで回復した桑田佳祐様のツアー終盤を見に行く。12月30日を選んだのは、翌日に帰省をする予定があったからだ。当日は冷たい雨。桑田さんのライブはサザンを含め80年代から見ている。もう何回見たのか記憶にないが、私の人生の一部を彩ってくれている音楽である事は間違いない。
座席はアリーナでステージからほぼ正面の位置。距離はあったのだが、双眼鏡を持っていたので舞台の様子は良く見えていた。やはりライブは演者の視覚認識がないと盛り上がらない。会場は立ち見も出て超満席。開演前、来場者の期待感が伝わる。結果的には3時間30分に及ぶ濃密なライブとなった。
実はその直前のミュージックステーションに出演していた桑田さんの唄声を聞いていてちょっと不安になっていた。声量に力が無い感じがしていたからだ。やはり手術の影響はまだあるのかな?と思わせた瞬間だった。
つい先ごろ中村勘三郎氏が同じ食道がんを患い、57歳で亡くなったニュースに触れたばかりだったが、桑田さんも同世代で同じ病気を患った人間としてこのニュースに心痛しただろうことは想像に難くない。
しかし、ライブ開始の一曲目を聞いてそれも払拭。紛れもなく往時の声であった。(良かった)
演奏も音も良く、照明、映像の演出も抜群で、相変わらず良いスタッフィングで良い仕事を見せてくれていた。切れ目ない映像素材の構成は相当大変だったろうと思う。照明も細かい演出を施していて、見ていて関心させられた。
横浜アリーナは、クラシックほど残響は強くないが、それでも余りデッド(無残響)じゃないので、会場内に音が廻って歌が聞きにくい場合があるが、今回のライブはビートが強く利いていても歌が鮮明でPAが良い腕をしているのが分かった。
K-POPのライブとかはカラオケを使うため、音の分離が悪くて未だに出音が酷いけどねえ。
前回見に行ったソロツアーは2007年の『呼び捨てでも構いません!!「よっ、桑田佳祐」SHOW』だったと思うが、その頃と違ったのは、ステージを縦横無尽に走り回る姿が失せた点だけだろう。さすがに体力的な問題だと思うが、その分歌をじっくりと楽しめるライブだったので私には有難かった。
本人もMCで酒を止めた(煙草は以前から止めていたようだが)と云っており、病気を経て様々な事があったのが伺えた。
セットリスト:
1.悲しい気持ち(懐かしい曲だ)
2.今でも君を愛してる
3.いつか何処かで(これも懐かしい曲だ)
4.本当は怖い愛とロマンス
5.my little hometown
6.真夜中のダンディー(これも懐かしいなあ)
7.東京(渋い良い曲だわ)
8.月(サムライな感じの曲だよねえ)
9.幸せのラストダンス(会場内で2013年度初頭に結婚する人を指名して歌を送るという企画。桑田さんの友人の子供さんが指名されたが、偶然か仕込みかは不明。しかし企画としては斬新で周囲も幸せな感じになり、楽しめた。)
10.CAFE BLUE
11.明日へのマーチ
12.愛しい人へ捧ぐ歌
13.声に出して歌いたい日本文学(18分の大作を一挙演奏)
14.現代東京奇譚
15.白い恋人達(星のような照明演出に泣けた)
16.ダーリン
17.銀河の星屑
18.Let’s try again
19.メドレー:
YMCA
ライディーン(YMO)
止まらないha~ha(E.YAZAWA)
恋人はサンタクロース(YUMI MATSUTOYA)
波乗りジョニー
20.100万年の幸せ(ちびまる子ちゃんとの映像コラボあり)
アンコール:
21.涙をぶっとばせ!!(docomoのCMで使用されている曲。桑田さんとしては多分直球の曲だろうが、やっぱりこの曲はアンコールの最初として盛り上がった!)
22.ROCK AND ROLL HERO(この曲は今の世相にもピッタリだ!)
23.可愛いミーナ
24.祭りのあと
25.月光の聖者達
26.明日晴れるかな
ライブトピック:
◎桑田さんのライブは年齢層が広い。親の世代から子供の世代への移行がはっきりとあり、彼の音楽が幅広く支持されているのが良く分かる。凄いことだ。
◎気がつけば3時間30分のライブ。アッと云う間だった。これだけの曲を歌うのは相当な体力が必要だが、ここまで回復したのだろう。
◎この日のライブは全国の劇場でも生中継されていた。いわゆるライブビューイングだ。全国でどのくらいの人が見ていたのだろう?
◎どこかのタイミングかは忘れたが、ビートルズのIn My Lifeを弾き語りして、ジョン・レノンの入れ込んだ姉との逸話をMCする場面もあった。
楽しい話だったが、桑田さんの心の中に姉の死を悼む感じが過ぎっているように見えた。
◎ヴァイオリンの金原千恵子さんはクラシック出身者の美貌とテクニックとはかけ離れて、終始ノリノリで演奏しており、見ていて楽しかった。
ああいうクラシック出身者の方がいらっしゃるとクラシックが堅苦しい音楽でなく、またクラシック出身者にも多様性を感じられて楽しい。
アンコール時に着用していたミニスカート風Tシャツも色っぽくて最高だった。桑田さんのMCで葉加瀬太郎氏にストーキングされていたなんて云われていたが、彼女の美貌や魅力ならまんざらウソでもないだろう。
◎メドレー・コーナーでYMOのライディーンの触りが演奏されたが、現在のYMOよりオリジナルに近いシンセの音色で片山が演奏されていたのには笑った。最近のYMOは音がちょっとフニャっとしているしなあ・・。
◎コーラスは女性1名が新しく加盟していたようだ。高音が綺麗な人だ。
◎アンコールで桑田さんは“SUPERFLY”のTシャツを着用。
◎ギターで中シゲヲ氏が入っていなかったのはちょっと寂しかった。
◎ライブの最後で、桑田さんが1分に近い時間、観客に対して深くお辞儀をして頂いたのは印象的だった。吉田拓郎氏の時もそのような風景があったが、困難を経たミュージシャンの本当の気持ちだったと思う。
◎桑田さんのライブは何度も見ているが、毎回心躍る体験をさせてくれる。これからも健康に気をつけて唄い続けて欲しいものである。彼はもはや人間国宝級だと思う。
バンドメンバー:
斎藤誠(gt,cho)→桑田さんが最も信頼するギターリストだろう。
片山敦夫(key)→もはや桑田さんに無くてはならないKeyだろう。
河村カースケ智康(drums) →今や日本で最も忙しいドラマーと紹介される。真実である。
シュアーでセンスの良いドラムを叩く人だ。ドラマーはリズムの良さとフィルの入れ方を聞くとレベルが分かるが、この人は日本でも最高のレベルに居るだろう。スティーブ・ガッド風な背中を丸めた叩き方がカッコイイ。
角田俊介 (bass)→この方は上手いベース弾きだよね。
深町栄(key) →還暦とは思えない若い演奏をする方。
金原 千恵子(Violin) →素敵なヴァイオリンプレイヤーだ。
山本拓夫(Sax)→この方売れっ子ですよね。
西村浩二(Trumpet)→この方も売れっ子ですよね。
角谷仁宣(Computer Operation )→彼も桑田さんの音楽には無くてはならない人になったね。
安奈陽子(chorus)→コーラスのバンマス的存在。
竹沢敦子(chorus)→美しい高音が素敵だ。
佐藤嘉風(chorus)→芸達者なコーラスの方だ。
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